令和3年度新工日記

授業風景(地球環境化学)「凝集沈殿」

2022年1月26日 06時00分
工業科活動

 環境化学科2年生は今、排水処理について学んでいます。

 濁った水を置き、すぐに沈殿して透き通った水になれば処理の必要はありません。しかし、沈殿しない濁り水は、特別な処理を施して、強制的に沈殿させることで、処理スピードを上げます。その技術が「凝集沈殿」です。

 今回使った薬剤はPACというもので、これを添加してpHを調整すれば、みるみるうちに凝集して沈殿が起こり、透き通った水になります。生徒の皆さんは、この現象を実際に体験しました。

 この方法は主に排水処理に使われますが、凝集剤を食品で製造すれば飲用水に利用できます。日本には、納豆のネバネバから凝集剤を製造した企業があります。その凝集剤は、バングラデシュで安全な水にアクセスできない人々の救世主となるだけでなく、乳幼児の死亡率低下、さらには女性の地位向上にも、その一翼を担っています。

 水処理技術で世界貢献できる可能性も今回の実験で実感できました。