令和3年度新工日記

石鹸製造実習【環境化学科1年】

2021年5月19日 06時00分
工業科活動

 環境化学科1年生が授業で石鹸を製造しました。パームヤシの種の油(パーム核油)を原料にして、水酸化ナトリウムによるけん化反応で製造しています。水酸化ナトリウムでつくると固形石鹸ができます。できたものは雑巾やモップを洗う石鹸として使用しています。手を洗う石鹸は、医薬部外品となるために厚生労働省の製造許可を得なければなりませんが、物の洗浄に使用する石鹸は、工業雑貨品であるために、表示義務さえ怠らなければ使用できるからです。
 原料のパーム油は、安価でありトランス脂肪酸をほとんど含まないことから、世界中で幅広く使用されています。ただ、飛ぶように売れるので、原産国の東南アジアの国々では無制限に森を切り開かれ、そこがパームヤシ畑に替えられています。そのことで、そこに住む野生生物は住処を追われ、また、貧しい人々やその家庭の子どもたちは低賃金で働かされ、学校に行けない子どももいるとか。製造方法を学ぶだけでなく、原料の産地の課題を意識すると、「つくる責任と使う責任に気付くことができる」ということも学んでいます。